こんにちは、くーみんです。
今日も投資コラムを書いていきます。整形外科医として手術室に立ちながら、お金にも真剣に向き合っています。少しでも参考になれば嬉しいです📝
結論から言うと、
「投資する人が増えれば株価には追い風だが、無限に上がり続けるわけではない」です。
現在、日本で投資している人はどれくらい?
NISA口座数は2025年末時点で約2,800万口座です。もっとも、複数口座の問題や休眠口座もあり、「実際に投資している人」はこれより少なくなります。
各種調査を総合すると、
NISA口座保有者:約25~30%
実際に運用している人:約15~20%
投資信託や株式を保有している世帯:約30~40%
程度と考えるのが妥当です。
一方で、日本の家計金融資産は約2,200兆円以上あり、そのうち現金・預金は約1,100兆円と半分以上を占めています。
つまり、
「まだ市場に入っていないお金」は
非常に大きいというのは事実です。
では、みんなが投資を始めたら株価は上がるのか?
短期的にはYESです。
例えば、
預金 → オルカン
預金 → S&P500
預金 → 日本株ETF
という資金移動が起これば、その分だけ買い圧力になります。
2024年以降の新NISAブームで
eMAXIS Slim オルカン
eMAXIS Slim S&P500
などへ巨額の資金流入が起こりました。
実際にインデックスファンドへの資金流入は株価を押し上げる要因の一つです。 でも「全員が投資を始めれば株価が永遠に上がる」は間違い
なぜかというと、株価は最終的には
企業利益 × 評価倍率(PER)
で決まるからです。
例えば、ある企業の利益が100億円なのに、みんなが買うからといって
時価総額100兆円になれば、
どこかで買い手がいなくなります。
つまり、資金流入だけでは限界があり、長期的には企業の利益成長が必要です。
オルカンやS&P500の場合は?
ここが重要です。
日本人がNISAでオルカンを買うと、そのお金は
米国
欧州
日本
新興国
へ分散投資されます。
つまり、日本人が投資を始めても、
日本株だけが上がるわけではありません。
むしろ現状では、NISA資金の多くは米国株へ流れています。
「周囲の人を市場に誘った方が得なのでは?」
理論上は少しだけ得です。
仮に100万人が毎月5万円積み立てたら、
年間60万円 × 100万人= 6,000億円
の資金流入です。
市場にはプラスです。
ただし、世界株式市場の時価総額は数京円規模です。
日本人が数百万人増えた程度では、
長期的な株価を大きく左右するほどではありません。
むしろ投資家にとって重要なのは
「新規参加者」よりも
企業利益の成長
です。
たとえば、
AI革命
半導体需要
自動化
医療技術進歩
などによって企業利益が伸びる方が、株価への影響ははるかに大きいです。
長期投資家の視点
実は少し逆説的ですが、
オルカンやS&P500を20~30年積み立てる人にとっては、
今後10年間くらい株価があまり上がらない方が有利です。
なぜなら、毎月買い続ける期間は
安く買える
口数が増える
からです。
本当に欲しいのは、
積立期間中は安値
取り崩し直前に高値
という状態です。
したがって、
「みんな投資を始めて株価がすぐ上がる」のは、積立中の人にとって必ずしも最良ではありません。
長期投資家にとっては、
周囲を投資に誘うことよりも、自分が30年続けることの方が圧倒的に重要
と言えます。
非常に大きなテーマですが、株式投資の観点から一言で言うと、
企業利益成長の源泉は「生産性向上」
利益の式で考える
企業利益は単純化すると、
利益 = 売上高 − コスト
です。
利益を増やす方法は4つしかありません。
1. 売上を増やす
2. 価格を上げる
3. コストを下げる
4. 投下資本を効率的に使う
優れた企業はこの複数を同時に実現します。
長期的に最も重要なのは「生産性」
例えば100人で100億円の売上だった会社が、AIやシステム化によって
100人で200億円売れるようになれば、利益率は大きく改善します。
歴史的に見ると、
蒸気機関
電力
コンピュータ
インターネット
スマートフォン
AI
などはすべて生産性革命です。
株式市場が長期的に上昇してきた理由も企業が人類の生産性を上げ続けてきたからです。
投資家が見るべきもの
優れた企業には共通点があります。
高い参入障壁
競争相手が簡単に真似できない。
例
NVIDIA
ASML
ブランド力
同じ商品でも高く売れる。
例
Apple
iPhoneの原価が上がっても価格転嫁しやすい。
ネットワーク効果
利用者が増えるほど価値が高まる。
例
Meta Platforms
Alphabet
継続的な技術革新
新製品を出し続ける。
例
Microsoft
Amazon
日本経済全体で考えると日本が長期間苦戦した理由は、人口減少そのものよりも生産性向上が米国ほど進まなかったことが大きいです。
人口が減っても、一人当たりの生産量が増えればGDPは伸びます。
実際、United States の企業利益は過去30年で大きく成長しましたが、その背景にはIT革命があります。
S&P500やオルカン投資家としての視点
投資家が本当に賭けているのは、「株価が上がること」ではなく
人類の生産性が今後も向上することです。
AI、自動化、ロボット、創薬、エネルギー技術などによって、企業利益が今後20〜30年伸び続けると考えるからこそ、インデックス投資が成立しています。
極端に言えば、NISA利用者が増えることよりも、AIによって世界の生産性が1%上がる方が、長期的な株価への影響ははるかに大きいと考えられます。
まとめ
株価は短期的には資金の流入によって動きます。しかし、長期的に株価を押し上げるのは、新たに投資を始める人の数ではありません。
本当に重要なのは、企業がより多くの価値を生み出し、利益を成長させ続けられるかどうかです。そして、その利益成長の源泉となるのが「生産性の向上」です。
歴史を振り返れば、蒸気機関、電力、自動車、コンピュータ、インターネット、そしてAIと、人類は技術革新によって生産性を高め続けてきました。その結果として企業利益は拡大し、株式市場も長期的な成長を遂げてきたのです。
つまり、インデックス投資を続けるということは、単に株価の上昇を期待することではなく、
「人類はこれからも新しい技術を生み出し、より豊かになり続ける」
という未来に投資することでもあります。
日々の株価や相場の上下に一喜一憂するよりも、世界全体の生産性と企業の利益成長を信じて長期で資産を育てていく。その視点こそが、長期投資家にとって最も重要なのかもしれません。
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行っていただき、本記事内容に基づく損失について当サイトは一切の責任を負いません。
