「債券なんていらない」が一番あぶない。資産配分で"債券の役割"を勘違いする失敗7選【2026年・金利ある時代版】

「債券なんていらない」が一番あぶない。資産配分で”債券の役割”を勘違いする失敗7選【2026年・金利ある時代版】

はじめに

「これからは株一択」「債券なんて増えないから不要でしょ?」      ここ数年の株高で、そう感じている方は多いかもしれません。でも実は今、日本は”金利のある時代”に戻りつつあります。2026年7月募集分の個人向け国債(固定5年)は、なんと年1.95%。ほんの数年前まで0.05%だった商品です。この記事では、資産配分(ポートフォリオ)のなかで債券が本当は何をしてくれるのかを、「やりがちな失敗7選」という形でやさしく整理します。読み終わるころには、あなたの資産配分に債券が必要かどうか、自分で判断できるようになります。


そもそも「債券」って何をしてくれるもの?

本題に入る前に、言葉の意味だけそろえておきましょう。

債券(さいけん)とは、国や会社にお金を貸して、あとから利子をつけて返してもらう「借用書」のようなものです。国が発行するものを国債、会社が発行するものを社債と呼びます。

株式が「会社の成長についていく(増えるかもしれないけど、減るかもしれない)」ものだとすれば、債券は「決まった利子を受け取って、満期に元本が戻ってくる(大きくは増えないけど、値動きがおだやか)」もの。性格がまるで違います。

そして資産配分でいちばん大事なのは、この「性格の違う2つを組み合わせる」という発想です。株が下がるとき、債券は比較的おだやか、あるいは逆に買われて上がることもあります。かたっぽが転んでも、もうかたっぽが支える。これが債券の一番の役割で、専門的には「クッション(緩衝材)」とも呼ばれます。

では、この役割を勘違いすると、どんな失敗が起きるのでしょうか。ひとつずつ見ていきます。


失敗①「増えないから債券はいらない」と全部を株にする

いちばん多い勘違いがこれです。「債券は利回りが低い=ムダ」という考え方。

たしかに、増やすことだけを考えれば株のほうが期待リターンは高めです。でも資産配分の目的は「増やす」だけではありません。「暴落したときに、投げ売りせず持ち続けられるか」も同じくらい大事です。

株100%の人が、リーマンショック級の下落(資産が半分近くになる)に耐えられるでしょうか。多くの人はこわくなって、いちばん安いところで売ってしまいます。これが「狼狽(ろうばい)売り」で、長期投資でいちばんやってはいけない行動です。

債券を少し混ぜておくと、下落の幅がやわらぎ、心にも余裕が生まれます。「増えないから不要」ではなく、「持ち続けるために必要」なのが債券です。


失敗②「金利が上がったのに、まだ債券を無視している」

これは2026年の今、まさに注意したいポイントです。

長いあいだ日本は「超低金利」で、債券に預けてもほとんど利子がつきませんでした。だから「債券なんて意味ない」というのは、ある意味で正しかったのです。

ところが状況は変わりました。2026年6月、日本銀行は政策金利を0.75%から1.00%へ引き上げ、これは約31年ぶりの高い水準になりました。その流れを受けて、個人向け国債の金利もぐっと上がっています。

下の表は、2026年7月募集分(募集期間7月6日〜7月31日、発行日8月17日)の個人向け国債の金利です。

1784933652 RVyvUEmT0QdriLBOh9uzfPg3

数年前の個人向け国債は年0.05%。100万円で年500円ほどでした。それが今は年1.5〜1.95%、100万円で1万5千円〜1万9千円台。「債券=増えない」という古い常識のまま無視していると、せっかくの金利を取りこぼします。 情報は数年前でなく「今」に更新しましょう。


失敗③「債券のつもりで、実は”別モノ”を買っていた」

「債券を買った」と思っていたのに、中身が全然ちがった、というケースもよくあります。

たとえば、銀行の窓口ですすめられる「外貨建て保険」や「仕組み債(しくみさい)」。名前に”債”がついていたり、”元本確保”のように聞こえたりしますが、為替で目減りしたり、途中で解約すると大きく損をしたりと、おだやかなクッションとはほど遠い性格のものが混ざっています。

資産配分でいう「守りの債券」に当たるのは、基本的には次のようなシンプルなものです。

1784933698 D3PEuzMvytHDOmRnVkq58FYJ

「利回りが高い」ものほど、その裏にリスクがひそんでいます。守りのつもりで買うなら、シンプルで分かりやすいものを選ぶのが失敗を避けるコツです。


失敗④「株と一緒に値下がりする債券を、守りだと思い込む」

債券なら何でも株の逆に動く、と思うのは早とちりです。

さきほど出てきた「ハイイールド債(信用力の低い会社の高利回り債券)」は、景気が悪くなると株と一緒にドスンと下がることがあります。会社の業績が悪化すれば、株も社債も同時に不安視されるからです。

守りのクッションとして期待できるのは、信用力の高い国が発行する国債です。「利回りは低めだけど、いざというとき頼りになる」——この地味さこそが、守りの本質だと覚えておいてください。


失敗⑤「暴落したのに、リバランスをしない」

リバランスとは、値動きでくずれた資産の割合を、元の配分に戻す作業のことです。ここでも債券は大活躍します。

たとえば「株60%・債券40%」で始めたとします。株が暴落すると、割合は「株45%・債券55%」のように変わります。このとき、値下がりした株を、値持ちした債券の一部で買い増して60対40に戻す。これがリバランスです。

つまり「高くなったものを売り、安くなったものを買う」を自動的にやってくれる仕組み。債券という”別の財布”があるからこそできる技です。株100%だと、この買い増しの原資がありません。

下の表は、株100%と「株60%・債券40%」で、株が40%下落したときのイメージです(債券は値動きゼロと単純化)。

1784933739 EWMG6EH4UzjaQfoZYl8m1Vbk

同じ暴落でも、下落率は40%と24%で大ちがい。この差が「売らずに持ち続けられるか」を分けます。 暴落は、実は債券を活かす絶好のチャンスでもあるのです。


失敗⑥「生活防衛資金まで債券に回してしまう」

守りに強い債券ですが、なんでも債券にすればいい、というわけではありません。

生活防衛資金(病気や失業など、いざというときのために置いておく生活費の半年〜1年分)は、投資ではなく「すぐ引き出せる現金・預金」で持つのが基本です。

個人向け国債は比較的安全ですが、買ってから1年間は原則として途中で解約できません(1年経過後は解約可能ですが、直近1年分の利子相当が差し引かれます)。つまり「明日すぐ使うお金」の置き場所には向いていないのです。

お金は次の3つに分けて考えると迷いません。

1784934490 0VFebUwLyqsONAQlPp4D96fK

債券が活きるのは、まん中の「守りのお金」。ここを混同しないことが大切です。


失敗⑦「年齢が変わっても、ずっと同じ配分のまま」

最後は「見直しをしない」失敗です。

若いうちは、給料という”人的資本”が長く続くので、少しくらい暴落しても取り返す時間があります。だから株を多めにしてもいい。一方、退職が近づくほど、暴落から回復する時間が短くなるので、債券を増やして守りを固めるのが基本です。

よく知られた目安に「債券比率=年齢%」という考え方があります(30歳なら債券30%、60歳なら債券60%、という具合)。あくまで目安ですが、「年をとるほど守りを厚く」の方向性はおさえておきたいところです。

1784934547 NQT5JvVbk8ipqPXfHhdsEAn2

金利が上がった今は、守りを厚くしても以前より利子が受け取れます。「守りにするとまったく増えない」時代は、いったん終わりつつあるのです。これも配分を見直す良いきっかけになります。


まとめ:債券は「増やす道具」ではなく「持ち続ける道具」

7つの失敗を振り返ります。

1784934580 MWp1bwUCRug2lIV9o4FGOxPr

債券は、派手にお金を増やしてくれる主役ではありません。でも、株という主役が転びそうなときに支え、あなたが投資を「途中でやめずに続ける」ことを助けてくれる、いぶし銀の名脇役です。

そして2026年の今は、その脇役がひさしぶりに”ちゃんと利子をくれる”時代に戻ってきました。日銀の利上げで政策金利は約31年ぶりの1.00%、個人向け国債の固定5年は年1.95%。「債券なんていらない」という古い口ぐせは、そろそろ見直しどきかもしれません。

今日からできる行動提案

まずは、次の3つだけ確認してみてください。

1つめは、自分の資産に占める債券・現金の割合を出してみること。ざっくりでかまいません。「思ったより株に偏っていた」と気づくだけでも大きな一歩です。

2つめは、生活防衛資金(生活費の半年〜1年分)が、すぐ下ろせる形で確保できているかを確かめること。ここが足りていないなら、投資より先にこちらを優先します。

3つめは、「今の自分の年齢・目標に対して、守りが薄すぎないか」を、この記事の年代別の表と見くらべること。もし守りを足すなら、金利が上がった今の個人向け国債は、選択肢のひとつになります。

投資は「増やす」ことばかりに目が行きがちですが、長く続けるほど「守り」が効いてきます。あなたの資産配分に、頼れる脇役を一枚、加えてみてはいかがでしょうか。


※本記事は情報提供を目的としたもので、特定の金融商品の購入をすすめるものではありません。金利や制度は今後変わる可能性があります。実際の投資判断はご自身の責任で、最新の情報をご確認のうえ行ってください。

参考にした情報(時事アンカー)

  • マイナビニュース「【2026年7月】個人向け国債の金利、固定5年は1.95%に上昇! 変動10年・固定3年もアップ」

  • マネイロメディア「【2026年7月最新】個人向け国債の金利はいくら?日銀利上げ後の水準を定期預金と比較」



投資信託と堅実志向の資産運用 (POWER MOOK)



amzn.to

1,180円

(2026年07月25日 08:11時点
詳しくはこちら)

Amazon.co.jpで購入する




図解即戦力 債券のしくみがこれ1冊でしっかりわかる教科書



amzn.to

1,760円

(2026年07月25日 08:13時点
詳しくはこちら)

Amazon.co.jpで購入する




最強の投資と節税 二刀流税理士のお金の増やし方



amzn.to

1,760円

(2026年07月25日 08:13時点
詳しくはこちら)

Amazon.co.jpで購入する


本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任で行っていただき、本記事内容に基づく損失について当サイトは一切の責任を負いません。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です